アイスいっぱいの気持ち

2022年07月26日

墓参りに行く途中でふと思い出したのだけれど、祖母の家の近所で何屋かは忘れてしまったけど高橋というお店をやっているおばちゃんがいて(祖母と親しい)、前を通ると店窓から顔を出してソフトクリームをくれた。

1人で通っても兄はどうした?と聞いてくれ、兄の分も持たせてくれた。

戦争経験者とはそういうものか?(失礼な感想でごめんなさい)。記憶の中にそういう方が数人いらっしゃるけど、高橋のおばちゃんはソフトクリームを渡さねば!という使命感すら感じる勢い、とってもありがたいのだけれどほんの少しだけ怖さも感じていた。

だっていただく時は冬の白馬なんです。スキー客で蠢く小さな山の麓に高橋はあって、そこを通った時におばちゃんが店内からこちらを見ている、眼光キラリ!すごい、確かにスキーウェアでもない子供は目立つかもしれません。

最初は嬉しかったのですが、冬にもらうアイスは特別ですが格別かといえば・・・繰り返されるうちに店の前を通りずらくなってしまった。

そんなガキンチョも歳をとって、高橋のおばちゃんもきっともうお亡くなりになったと思います。

だけど真冬に追いかけてでもソフトクリームを下さる姿勢や窓から顔を出して話しかける雰囲気を思い出すとはやはりインパクトがあったんですよね

IKEAに行くとソフトクリームが50円で食べられ、安い!と感じるしなんか楽しい気持ちになる方もいると思いますが、高橋のおばちゃんはタダで兄弟の分までくれる、IKEAはソフトクリームを持って追いかけてはくれません、高橋のおばちゃんはちょっとしたトラウマすらくれ幼い精神に何かを打ち込んでくれるんです。

高橋のおばちゃんは商売の距離感なんて無く、家具屋に行ったらソフトクリームが50円で食べられる距離感が商売人の心得なんだろうなと、適度な距離感にお得感もあるのかなと思います。

そんな気持ちをIKEAに投影されても困りますよね、すみません。

高橋のおばちゃんと子供の精神の幼さとのギャップもまた寂しいですよね。もしかしたら高橋のおばちゃんだって気がついていたのかもしれません、しかし何かしてあげたい、何もしないわけにはいかない!と気持ちを打ち出していたんだろうか・・・。

押しつけになってしまうかもしれない気持ち、損得勘定ではないソフトクリームをどんな気持ちで巻いてたんでしょうね

冬の日にうねうね螺旋のソフトクリーム食べたいす。

まつお