I'm here のつづき

2019年02月22日

こんにちは。ひきこもりの時について書きましたが、その時のことをもう少し掘り下げて書こうかなと思います。

暗い部屋にずっといる生活をしていたわけですが、そのときの気持ちとしては、なんというか、感情があまりないような感じでした。楽しいとも悲しいとも思わず、何も感じない・・・そんなふうな状態でした。ときおり、急に悲しくなって涙が流れてくることはありましたが、感情がなくただただ毎日が過ぎていく生活でした。

その中で、嫌だったことがありました。私がずっと部屋にいるのを両親は心配していたとは思うのですが、リビングで私のことを話している時の言葉の感じが「みっともない、まだ寝ているんだ」と笑っているように聴こえて、ばかにされているんだな、と思ったのを覚えています。両親とは普段から深刻な会話をあまりしたことがなかったので、シリアスな状況になったときに腹を割って話をする、ということにはなりませんでした。両親に対して苛立ちを覚えつつもずっと部屋にこもっていたのですから、私もそういった意味では甘えていましたね。

それから、私には3歳年下の妹がいるのですが、妹がまた性格が正反対で、そのころ友だちをよく家に連れてきて遊んでいました。ある日、妹がともだちを家によんだみたいで、ともだちが家に来る前に「部屋から出ないでよ」と捨て台詞のように言われました。見た目も中身も落ちている姉をともだちに見られたくなかったんだろうなと思います。それを言われたときはとても傷つきました。あえて部屋から出ていったやろうかと思いましたが、そんなことできるはずもなく、一人部屋で悔しさを噛みしめていました。

あとは、バイト先から電話がかかってくることも苦痛でした。ずっと連絡せず休んでしまっているのでしょうがないですが、メインのバイト以外にいろいろバイトをしていて、サブのバイト先のほうには全く連絡していなかったのでバックレたような形になりました。人としてこんなことはどうだろう、と思いつつ連絡できるほどの気力や感情もありませんでした。友達からも連絡がありましたが、それに答える気力もなく、かといって心配させているだけの状態にも罪悪感が少しありました。

そういえばふと思いだしたのですが気分転換に、と祖父祖母のいる滋賀へ一人で行きました。その時は、少しずつ外に出てきた時だったと思います。特に何かするわけではないですが、ずっと部屋にこもっているよりはよかったのかもしれません。

また、冬になると体重が一気に10キロほど増えてしまう体質がとても嫌でした。大学生になってからなぜか、そんな体質になりました。秋ころになると食欲が増えて、さらに甘いものがすごく食べたくなって、菓子パンやお菓子を「食べる」というより、流し込むように口にいれていました。出来ればやめたいのですがほかのストレスをうまく消化できず、食べることで解消していたのかな、と思います。そして、春になるとまた自然と10キロほど痩せて戻っていきます。半年でそんなにも体の体重が変化するので、腰やおしりには皮膚が伸び縮みしたような跡が残っています。

ひきこもりの時は、中でも1番太っていたと思います。移動が家の中だけなので、久しぶりに家を出たときは最寄りの駅から家までの坂道を上っただけで筋肉痛になるくらい、筋力も衰えていました。

そして、ひきこもりだった私も外に出るようになったわけですが、いつから元の生活に戻ったのか、あまり覚えていません。大学を留年してしまったのですが、それはそれでよかったかもしれません。それまで、同学年だったともだちと同じタイミングで就活や教職につかなければいけない、というようなプレッシャーはなくなりましたし、周りにいる人や環境が変わったのは良かったです。もとから、だれかと一緒に授業を受けるタイプではなく、一人で講義を受けていました。

引きこもってたのがウソのように元の生活に戻ったときに、数か月前まで引きこもっていた自分を思い返したのですが、よく思い出せませんでした。普段の自分とあまりにもかけ離れすぎていて。感情に結び付けて思い返すこともできず、夢の中のような、他人ごとのような感覚でした。あの期間はいったいなんだったんだろうとも思いました。

春になれば、体も元に戻っていき気持ちも落ち着いてきます。そして、あんなにも辛い冬のこともなかったかのように忘れていきました。あえて忘れていたのかもしれません。そうやって引きこもりの生活は終わっていきました。

今回はここまでにします。

上原